外側上顆炎(テニス肘)
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肘に負担をかけている原因を探します。

物をつかんで持ち上げる時やパソコン作業中など、ふとした動きで肘の外側に痛みを感じることはありませんか?

「マッサージに行ってもすぐ戻ってしまう」
「検査では異常がないと言われたけれど痛い」

そんな経験をお持ちの方も多いと思います。

外側上顆炎は、一時的な疲労や筋肉のこりだけでなく、日常の姿勢・腕の使い方・内臓の疲労・ストレスなど、さまざまな要因が積み重なって起こるケースは少なくありません。
そのため、痛みのある部分だけをケアしても、根本的な改善にはつながらないことがあります。

R.T整体院では、

こうした「原因が見えにくい外側上顆炎」に対して、

身体全体のつながりを丁寧に見極めながら、再発しにくい状態へ導くことを大切にしています。

一般的な原因・傾向について

ものをつかんで持ち上げる動作やタオルをしぼる動作をすると、肘の外側から前腕にかけて痛みが出現します。
外側上顆炎は、いわゆる「テニス肘」とも呼ばれています。

特に硬式テニスのバックハンドストロークでは、肘を伸ばしながら手関節を無理に伸展させる動作や、ラケットの中心を外した打ち方を繰り返すことで、手関節や指の伸筋群に強い伸張性収縮が加わります。
このような負担が繰り返されることで、起始部である外側上顆に障害が生じやすくなります。

ただし、「テニス肘」と呼ばれているものの、必ずしもテニス選手に起こるものではありません。
実際には、長時間のパソコン作業や手作業など、スポーツとは関係のない生活習慣の中で発症するケースも多く見られます。

長時間のキーボード操作やマウス操作、手や肘を酷使する作業では、指伸筋群が持続的に収縮し続ける状態となり、このような慢性的な負担の積み重ねが外側上顆炎の発症要因となることがあります。

よくある症状・特徴

  • 物をつかんで持ち上げると肘の外側が痛む
  • タオルをしぼる動作で痛みが出る
  • 手首を反らす、指を伸ばす動作で痛みが強くなる
  • パソコン作業やマウス操作を続けると前腕がつらくなる
  • ペットボトルのフタを開けるなど、ひねる動作で痛みが出る

日常のちょっとした動作でも痛みが出やすく、家事や仕事に支障が出ることもあります。
特に手首や指を使う作業を続けると、前腕の張りやだるさを感じやすくなります。
基本的には安静時の痛みは少ないものの、重症化すると安静時や夜間にも痛みが出ることがあります。

当院の考え方・アプローチ

外側上顆炎は、肘だけが悪くて起こるものではありません。
体はすべてつながっており、身体の使い方や体調の変化が積み重なることで、結果として肘に負担が集まってしまうことがあります。

そのため、

「マッサージをしてもすぐ戻る」
「原因がはっきりしないまま肘の痛みが続く」

といったケースでも、
身体の見方を変えることで、改善の糸口が見つかることは少なくありません。

R.T整体院では、

  • 姿勢や筋肉、骨・関節などの体のつくり(筋骨格系)
  • 内臓の位置や動き、血の流れ(内臓系)
  • 自律神経と、頭・背骨・骨盤のつながり(頭蓋・硬膜系)

この3つの視点を組み合わせて、体が本来もっている回復する力が働きやすい状態を目指します。

痛みが出ている場所だけでなく、
「なぜそこに負担が集まってしまったのか」という背景まで含めて整えていくことで、
その場しのぎではない、再発しにくい身体づくりにつなげていきます。

これまで「年齢のせい」「体質だから仕方ない」と言われてきた外側上顆炎でも、
身体のバランスが整うことで、楽に動ける状態へ近づいていくケースは多くあります。
こうした考え方をもとに、当院では次の3つの視点から外側上顆炎にアプローチしています。

3つの視点から行う外側上顆炎のケア

骨・関節・筋肉から整える

施術では、筋膜リリース、関節モビリゼーション、
筋肉の反射を利用したMET法(筋エネルギー・テクニック)などを用います。

そのうえで、とくに長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋などの緊張状態を評価し、外側上顆に集中している負担を軽減していきます。

また、橈骨が遠位へ下降する傾向があると、筋肉や神経などを含めた、肘の外側にある組織が圧迫されるため、肘関節を構成する橈骨や尺骨などの位置関係にも注目します。
肘関節を構成する橈骨・尺骨の位置関係や、手首を構成する舟状骨・月状骨などの動きも含めて評価し、前腕から手関節にかけての機能を整えていきます。

さらに、鎖骨・肩甲骨・胸郭の動きが制限されると肘に負担が集中しやすくなるため、これらの部位も含めて調整し、肘に頼りすぎない全身の連動を取り戻していきます。

内臓の状態は、内臓体性反射と呼ばれる反応を通して、背骨や筋肉の働きに影響します。
そのため、内臓が疲れていたり動きが悪くなっていると、背骨がかたくなり、結果として肘に負担が集まることがあります。

さらに、内臓はfascia(ファシア)と呼ばれる膜のネットワークを通して全身とつながっており、このつながりまで含めて評価することで、肘の痛みの背景にある負担が見えやすくなります。
当院では、内臓そのものだけでなく、内臓と身体をつなぐ膜の状態まで含めて確認します。

たとえば、肝臓・胆のう・胃などの内臓の負担は、横隔神経(C5)を介して首まわりの神経の働きに影響し、そこから腕へと続く神経のバランスが乱れることで、結果として肘への負担を増やしてしまうことがあります。

このように、内臓の働きと身体の動きは深く関係しており、内臓からくる負担を減らすことで、首や肩、肘の連動が改善し、慢性的な肘の痛みの緩和につながっていきます。

頭(頭蓋)・背骨・仙骨は、硬膜によって一本につながり、全身が連動する構造になっています。
そのため、どこか一部に緊張があると、その影響が肘まわりにまで及ぶことがあります。

当院では、肘や腕だけでなく、後頭部まわりの頭蓋骨のバランスに着目した施術を行い、神経の緊張が抜けやすい状態をつくります。

また、自律神経の安定には呼吸が深く関係しており、呼吸の中心となる横隔膜(おうかくまく)は、背骨・骨盤・内臓と動きを共有しています。横隔膜がかたくなると、姿勢や肩・肘の動き、体の回復力にも影響が出やすくなります。

さらに、鎖骨の後方を通る血管や神経の流れが滞ると、腕への循環が低下し、回復が遅れ、痛みが長引きやすくなります。

頭蓋・背骨・呼吸への調整を組み合わせることで、血流と神経の働きが整い、回復しやすい状態へ導いていきます。

最後に

検査では「異常なし」と言われたのに肘の痛みが続く——
それは、体がこわれているのではなく、体のどこかの働きがうまく機能していないサインかもしれません。

外側上顆炎は、肘だけでなく、骨格のバランスや内臓の状態、呼吸や神経の働きなど、いくつもの要素が関係して起こることがあります。
そのため、これまで良くならなかった方でも、まだ見直せるポイントが残っている可能性があります。

「自分の肘の痛みには、別の原因があるかもしれない」

と感じたら、ぜひ一度ご相談ください。

整体による外側上顆炎施術への論文やエビデンス

文献タイトル

Hoogvliet P, Randsdorp MS, Dingemanse R, Koes BW, Huisstede BM.
Does effectiveness of exercise therapy and mobilisation techniques offer guidance for the treatment of lateral and medial epicondylitis? A systematic review.
British Journal of Sports Medicine. 2013;47(17):1112–1119.

🔗https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23709519

概要

この文献は、外側上顆炎、いわゆるテニス肘に対して、運動療法や徒手療法・モビライゼーションが有効かを調べたシステマティックレビューです。

対象となった介入には、ストレッチ、筋力トレーニング、遠心性・求心性トレーニング、肘や手関節へのモビライゼーション、頸椎・胸椎へのマニピュレーション、MulliganのMWMなどが含まれています。

結果

テニス肘に対して、ストレッチと筋力トレーニングの組み合わせに、短期的な痛みの軽減が期待できる可能性が示されました。

また、肘や手関節だけでなく、頸椎・胸椎への徒手療法を、前腕や手関節の運動療法・モビライゼーションに加えることで、痛みのない握力や機能の改善に役立つ可能性が示されています。

結論

この文献では、テニス肘に対して、運動療法や徒手療法が短期〜中期的に有効である可能性が示されています。

ただし、研究数や研究の質には限界があり、「この方法だけで確実に改善する」と言えるほど強い根拠ではありません。

当院の解釈

近年の知見では、テニス肘は、単なる「炎症」ではなく、前腕の筋肉や腱に繰り返し負荷がかかることで起こる腱障害として捉えられることが多くなっています。

そのため、痛みのある部分を揉んだり、肘だけを調整したりするだけでは不十分な場合があります。

テニス肘では、手首を反らす筋肉、前腕の回内・回外、橈骨頭、つまり肘の外側にある骨の動き、手首の動き、握る動作、肩甲帯、頸胸移行部などが関係することがあります。

最近のレビューでは、徒手療法や運動療法は痛みや使いやすさを改善する可能性がある一方で、効果の大きさや長期的な持続性については、まだ十分には明らかになっていません。

そのため当院では、徒手療法を「腱の状態を直接変えるもの」としてではなく、痛みを軽減し、関節や筋肉を動かしやすい状態に整え、運動療法や日常動作の改善につなげるための一つの手段として考えています。

施術では、肘だけでなく、手首、前腕、橈尺関節、肩甲帯、頸胸移行部、握り方やスポーツ時の身体の使い方まで確認し、どこに負担が集中しているのかを評価します。

そのうえで、症状や身体の状態に合わせて、徒手療法、段階的な筋力トレーニング、握り動作の再学習、負荷量の調整を組み合わせ、症状の改善と再発予防を目指します。

なお、強い腫れ、急な外傷、しびれ、筋力低下、肘の不安定感、夜間痛が強いなどの症状がある場合は、骨折・靭帯損傷・神経障害などの可能性もあるため、医療機関での確認が必要です。

📚参考文献

Wallis JA, et al.
Manual therapy and exercise for lateral elbow pain.
Cochrane Database of Systematic Reviews. 2024.
DOI: 10.1002/14651858.CD013042.pub2.
Cochrane / PubMed:

Lucado AM, et al.
Lateral Elbow Pain and Muscle Function Impairments.
Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy. 2022;52(12):CPG1–CPG111.
DOI: 10.2519/jospt.2022.0302.
JOSPT / PubMed:

Konarski W, Poboży T.
Current concepts of natural course and in management of medial epicondylitis: a clinical overview.
Orthopedic Reviews. 2023;15:84275.
DOI: 10.52965/001c.84275.
PMC / Orthopedic Reviews:

執筆者

谷口 綾

taniguchi ryo

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