【コラム】お酒は少量なら健康に良い?飲酒と身体の意外な関係
突然ですが、皆さんはお酒が好きでしょうか?
先日、とある勉強会の打ち上げでバーに入りました。
最初は普通に飲んでいたはずが、後半からなぜかテキーラ祭りに。7〜8杯を超えたあたりから記憶が曖昧です。
いまだに学生のようなノリでこんなことをしている自分に悲しくなります。
笑って済ませてよい飲み方ではありません。
そんな反省も込めて、今回はお酒のお話です。
お酒は少量なら健康に良い?
昔から「酒は百薬の長」と言われますが、近年はお酒と健康に対する考え方が変わっています。
2023年、WHOは「健康へのリスクがないと言える飲酒量は確認されていない」と発表しました。
アルコールは口腔がんや食道がん、大腸がんなどのリスクを高めるほか、飲酒量が増えるほど高血圧や肝臓の病気のリスクも高まります。
「アルコール消毒だ!」などと言っている場合ではないのです。
お酒は意外と高カロリー
アルコールは1gあたり約7kcal。炭水化物やタンパク質の約4kcalと比べても高カロリーです。
さらに、甘いカクテルやおつまみなども加わることを考慮すると、お酒を飲む習慣がある方は摂取カロリーにも注意が必要です。
お酒を飲むとよく眠れる?
「寝酒」という言葉があるように、寝つきをよくするために就寝前に少量の飲酒をするという方がいます。
実際、お酒を飲むと眠くなりますが、睡眠の質が良くなるわけではないようです。
2025年に発表された研究では、比較的少量の飲酒でも、記憶や感情の整理に関わるREM睡眠が減少すると報告されています。
お酒が人間関係にもたらす影響
ここまで読むと、お酒には悪いことしかないように感じるかもしれません。
しかし、少し興味深い研究もあります。
2012年に発表された研究では720名を対象に、アルコールが初対面の人同士の交流にどのような影響を与えるのかを調べています。
その結果、一定量のアルコールを摂取したグループではポジティブな感情を表す行動が増え、参加者同士が親密さを感じやすくなることが確認されました。
これは短期的な対人関係への影響を調べた研究であり、飲酒が健康に良いと証明したものではありません。
ただ、お酒を囲むことで会話が弾んだり、人との距離が縮まったりする経験には一定の科学的な裏付けがあるようです。
一方で、飲みすぎると判断力が低下し、人間関係に悪影響を及ぼすこともありますので何事もほどほどが大切ですね。
お酒により起こる身体機能の不調を整体的に考える
お酒といえば肝臓。
「休肝日」という言葉もありますね。
ここからは、肝臓と周囲の組織とのつながりを整体的な視点から考えてみます。
また、以下は身体の構造や神経のつながりを踏まえた考察であり、飲酒が肩こりや背骨の機能障害を直接引き起こすと証明されたわけではありません。
内臓の病気が疑われる場合は医療機関での検査が必要です。
肝臓と呼吸の浅さ
肝臓は、呼吸に関係する横隔膜のすぐ下にあり、膜や靭帯によってつながっています。
呼吸に合わせて肝臓も動くため、横隔膜や肋骨の動きに影響を及ぼす可能性があります。
肝臓と背中の張り感
肝臓に関係する交感神経は、背骨のT7〜T12付近と関係しています。
これはだいたい背中の真ん中から腰の上あたりで、内臓からの刺激が神経を介して背中の筋肉や関節が硬くなったり、痛みを感じたりするというような影響がでることがあります。
このような反応を「内臓体性反射」と呼びます。
肝臓と右肩の痛み
肝臓や胆嚢の病気によって横隔膜周辺が刺激されると、右肩に痛みを感じることがあります。
これは、横隔膜と肩の感覚を伝える神経が、首のC3〜C5という共通した脊髄の領域につながっているためです。
こうした現象を「関連痛」といいます。
最後に
お酒には人との交流を楽しくする一面もありますが、健康へのリスクもあります。飲む量や頻度は見直したいところですね。
飲んだ翌日は「もう二度と飲まねえ」と思うのに、数日後にはその決意を忘れているんですよね。
不思議ですね。
「酒は飲んでも飲まれるな」とは、よく言ったものです。
参考文献
World Health Organization Regional Office for Europe. No level of alcohol consumption is safe for our health. 2023.
🔗WHO公式サイト
厚生労働省. 健康に配慮した飲酒に関するガイドライン. 2024.
🔗厚生労働省公式サイト
Gardiner C, Weakley J, Burke LM, et al. The effect of alcohol on subsequent sleep in healthy adults: A systematic review and meta-analysis. Sleep Medicine Reviews. 2025;80:102030.
🔗DOI: 10.1016/j.smrv.2024.102030
Sayette MA, Creswell KG, Dimoff JD, et al. Alcohol and Group Formation: A Multimodal Investigation of the Effects of Alcohol on Emotion and Social Bonding. Psychological Science. 2012;23(8):869–878.
🔗DOI: 10.1177/0956797611435134
Pérez-Montalbán M, García-Domínguez E, Oliva-Pascual-Vaca Á. Subdiaphragmatic phrenic nerve supply: A systematic review. Annals of Anatomy. 2024;254:152269.
🔗DOI: 10.1016/j.aanat.2024.152269




