【9月後半】臨時休業日とご予約について
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9月16日〜10月15日までの診療時間変更および臨時休業日についてお知らせいたします。
9月30日(水) 休業
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また、
9月20日(日)~9月23日(水)は通常通り、営業いたします
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何卒、よろしくお願いいたします。
睡眠中、脳では何が起きている?「グリンパティックシステム」の話
最近、「ショートスリープ」という言葉をよく見かけます。
1日30分ほどの睡眠でも元気に過ごせる人がいるとか、いないとか……。
なかなか信じがたい話です。
そんな中、筑波大学の柳沢正史先生が、睡眠研究の功績で2026年のアルバート・ラスカー基礎医学研究賞を受賞されました。
柳沢先生は、私たちが起きている状態を保つ「オレキシン」という物質を発見し、日中に強い眠気が出る睡眠障害「ナルコレプシー」との関係を明らかにしました。
(Lasker Foundation)
こうした話題もあり、最近は改めて「睡眠」への関心が高まっているように感じます。
グリンパティックシステムとは?
今回は、睡眠に関係する「グリンパティックシステム」という仕組みについて紹介します。
私たちの脳は、起きている間も休むことなく活動しています。
当然、その過程では、脳が活動したあとに残る不要な物質、いわゆる「老廃物」も生まれます。
では、それらを脳の外へどうやって運び出しているのでしょうか?
その仕組みのひとつとして研究されているのが、「グリンパティックシステム」です。
脳のまわりには「脳脊髄液」という透明な液体が流れています。
この液体が血管の周囲などを通りながら脳の中の液体と入れ替わり、不要になった物質を脳の外へ運び出す仕組みがあると考えられています。
そして、このグリンパティックシステムと睡眠には深い関係があります。
2013年に発表された研究では、マウスが眠っているときには、起きているときよりも脳の細胞同士のすき間が広がり、脳脊髄液が流れやすくなることが報告されました。
その後、ヒトを対象とした研究でも、睡眠不足によって脳内や脳脊髄液中のアミロイドβが増加することや、睡眠中にアミロイドβやタウが脳から血液へ排出されることを支持する結果が報告されています。
つまり睡眠は、単に身体や脳を休ませるだけではなく、脳の中を良い状態に保つための時間でもあるわけです。
寝たあとに頭がすっきりするのも、この仕組みが関係しているのかもしれません。
逆に、しっかり寝たはずなのに疲れが抜けない、朝から頭がぼんやりするというときは、睡眠中の回復がうまく進んでいないのかもしれませんね。
アルツハイマー病との関係
グリンパティックシステムにおいて特に注目されているのが、「アミロイドβ」や「タウ」と呼ばれるタンパク質との関係です。
これらは脳の中にもともと存在する物質ですが、異常にたまることがアルツハイマー病と関係すると考えられています。
2026年には人を対象とした研究でも、普段どおり眠った場合と一晩眠らなかった場合を比較し、睡眠中にアミロイドβやタウなどが脳から血液へ運び出されていることを支持する結果が報告されています。
もちろん、「よく眠ればアルツハイマー病にならない」という単純な話ではありません。
ただ、睡眠と脳の健康との関係を考えるうえで、非常に興味深い仕組みです。
グリンパティックシステムと寝姿勢の関係
さらに面白いのが、「寝る姿勢」とグリンパティックシステムの関係です。
ネーダーガード博士らの研究グループは、ラットを使って身体の向きによってこの仕組みの働きが変わるのかを調べました。
仰向け、うつ伏せ、横向きを比較したところ、横向き、とくに実験で使われた右側を下にした姿勢では脳脊髄液が脳の中を効率よく循環していました。
つまり、この研究では「横向き」で寝ているときに、脳内の液体の流れがもっとも効率的だったということです。
ただし、これは動物を使った研究であり、「人間も右向きで寝れば脳の老廃物がよく流れる」とまでは言えません。
それでも、睡眠時間だけではなく、「寝ているときの身体の向き」まで脳内の環境に影響する可能性が研究されているのは面白いところだと感じます。
グリンパティックシステムと整体の関係
私が学んでいる欧州の徒手療法では、頭蓋骨やその周囲の組織に施術を行うことで脳脊髄液の流れや、こうした老廃物の排出を助けられるのではないか?という考え方があります。
これに近い研究として、2019年には高齢のラットに対して、「第4脳室圧迫法」という頭蓋骨にやさしく刺激を加えるオステオパシーの手技を7日間行った研究が報告されています。
その結果、場所や位置を覚える能力の改善に加え、脳内のアミロイドβの減少や、神経細胞を支える細胞の働き、神経同士の情報伝達に関係する変化が確認されました。
こちらも動物を対象とした研究なので、「人への頭蓋施術でグリンパティックシステムが改善する」と証明されたわけではありません。
ただ、頭蓋骨やその周囲に手で刺激を加えることが、脳内の液体の流れや老廃物の処理にどのような影響を与えるのか。
いち整体師としては、とても興味深い研究でした。
一時期流行したヘッドマッサージで「気持ちいい」「頭がすっきりする」と感じるのも、こうした仕組みが少し関係しているのかもしれませんね。
最後に
そして月並みではありますが、睡眠の質を考えるなら、寝る直前の食事を控えたり、スマートフォンやパソコンを見る時間を調整したりすることも大切だと思います。
スマートフォンやパソコンの画面を見る時間と睡眠についても多くの研究が行われています。
寝る前の使い方を少し見直すことも、眠りやすい環境をつくる方法のひとつです。
しっかり寝たはずなのに疲れが抜けない、朝から頭がぼんやりする、最近、睡眠が浅い気がする
そんな方は、単純に「何時間寝たか」だけではなく、寝る前に何をしていたか、どんな状態で眠っているかにも目を向けるのもいいかもしれません。
ちなみに私は最近、某ショートスリーパーの配信にくぎ付けになり、そのせいで寝不足になりました。
参考文献
- Xie L, Kang H, Xu Q, et al. Sleep Drives Metabolite Clearance from the Adult Brain. Science. 2013;342(6156):373-377. DOI: 10.1126/science.1241224. (PubMed)
- Lee H, Xie L, Yu M, et al. The Effect of Body Posture on Brain Glymphatic Transport. Journal of Neuroscience. 2015;35(31):11034-11044. DOI: 10.1523/JNEUROSCI.1625-15.2015. (PubMed)
- Tobey H, Lucas T, Bledsoe D, et al. Effect of Osteopathic Cranial Manipulative Medicine on an Aged Rat Model of Alzheimer Disease. Journal of Osteopathic Medicine. 2019;119(11):712-723. DOI: 10.7556/jaoa.2019.121. (Journal of Osteopathic Medicine)
- Dagum P, Elbert DL, Giovangrandi L, et al. The glymphatic system clears amyloid beta and tau from brain to plasma in humans. Nature Communications. 2026;17(1):715. DOI: 10.1038/s41467-026-68374-8. (PubMed)
- Hartstein LE, Mathew GM, Reichenberger DA, et al. The impact of screen use on sleep health across the lifespan: A National Sleep Foundation consensus statement. Sleep Health. 2024;10(4):373-384. DOI: 10.1016/j.sleh.2024.05.001. (PubMed)




